4コマ「北極星はどうして動かないの?」。1コマ目みい「北極星は、にゃんでほとんど動かないの?」、2コマ目ゆう「地球の回る軸を北へ延ばした先の、近くに見えるからだよ」、3コマ目みい「ゆうは北極星役ね! そこで待ってて!」、4コマ目ゆう「ぼくにぴったりの役だねえ」
みいみい

ねえゆう、夜空の星ってぐるぐるうごくのに、北極星ほっきょくせいだけどうして動かないの?

ゆうゆう

よく見てるね。じつはね、あの星にはひみつがあるんだ

星が動くように見えるのは、地球が回るから

北極星はどうして動かないの?(星が動くように見えるのは、地球が回るから)
みいみい

にゃんと!! 星が丸くぐるぐる動いてる! みいが動かしたー!

ゆうゆう

ふふ、動いたのはみいのほうだよ。いったん、すわってみようか

みいみい

みいが止まったら、星はどう見えるの?

ゆうゆう

回る遊具ゆうぐにのると、止まってる景色けしき反対はんたいむきにながれて見えるよね。あれとおなじなんだ

みいみい

あっ、景色じゃなくて、みいが回ってるってことなんだね!

ゆうゆう

そう。地球ちきゅうが西から東へくるっと回っているから、星のほうが東から西へ動いて見えるんだよ

みいみい

えっ、星たちが夜ごと、地球のまわりを走ってるわけじゃないの?

ゆうゆう

そう見えるんだねえ。みいは、星が走るところを見たんだね!

みいみい

うん。でも、みいが止まっても星は動いて見えるんだね!

ゆうゆう

そうなんだ。地球の回転で、そう見えているんだよ

みいみい

あっ、みいが動かしたんじゃなかったんだね!

地球の「回転のじく」を空へのばしてみよう

北極星はどうして動かないの?(地球の「回転のじく」を空へのばしてみよう)
ゆうゆう

丸いケーキを、まん中のぼうでくるくる回すとするよね

みいみい

うん、まん中の棒の近くを見てるよ

ゆうゆう

棒の近くのかざりは小さな円、外がわのかざりは大きな円をえがくんだ

みいみい

北極星は、外がわのかざりみたいに大きく回るの?

ゆうゆう

そう思うよね。もう少し、そのまま考えてみようか

みいみい

北極星がぐるぐる回るなら、みいも走って追いかける!

ゆうゆう

地球にも回転かいてんじくがあってね、北極から空へのばした先を「天の北極」とよぶんだ

みいみい

あっ、そこがケーキのまん中で、北極星は近くにあるんだね!

ゆうゆう

そうなんだ。北極星は、たまたま今その近くにある明るい星なんだよ

ゆうゆう

まん中のかざりを、ぼくが食べても……

みいみい

また食べる話? 食べたら北がわからなくなるよ、ゆう!

北極星も、本当は小さな円をえがいている

北極星はどうして動かないの?(北極星も、本当は小さな円をえがいている)
みいみい

北極星は、ぜんぜん動かないんでしょ?

ゆうゆう

実はね、北極星も天の北極からすこしだけずれているんだ

みいみい

ずれていると、どんなふうに見えるの?

ゆうゆう

1日で、とても小さな円をえがいて動いているんだよ

みいみい

にゃんと!! 北極星、こっそり動いてたんだ!

ゆうゆう

円がとっても小さいから、少し見ただけではほぼ止まって見えるんだねえ

みいみい

それでも、北のめじるしがなくなっちゃうかもって、こわいよ……

ゆうゆう

……うん。こわくなるよね。ぼくはここにいるよ

みいみい

よかった……それなら、北をさがせるね

ゆうゆう

北のめじるしとして大事だいじだけど、いちばん明るい星ではないんだよ

みいみい

目印めじるしなのに、いちばん明るくないんだ! ややこしいよ!

「北極星」の役目は、長い時間で交代する

北極星はどうして動かないの?(「北極星」の役目は、長い時間で交代する)
ゆうゆう

それにね、地球の回転じくのむきは、ずーっと同じというわけじゃないんだ

みいみい

にゃんでだろう、じくって動くの?

ゆうゆう

いきおいの弱くなった独楽こまが、たおれずにゆっくりむきをえる動きにてるよ。これを「歳差さいさ」というんだ

みいみい

独楽みたいに、ゆっくり向きが変わるんだね!

ゆうゆう

太陽たいようや月がやさしく引っぱるから、じくの先が2万6000年くらいかけてぐるりと円をえがくんだよ

みいみい

何千年も当番なんだ! みいなら待てないよ!

みいみい

むかしはべつの星が北のめじるしで、遠い未来みらいにはまたべつの星に交代こうたいするんだね?

みいみい

北極星にも当番ひょうがあるんだ!

ゆうゆう

でも心配しんぱいしなくていいよ。ものすごーくゆっくりだから、地球がぐらぐらたおれるわけじゃないんだ

みいみい

ゆっくりなら、地球はだいじょうぶなんだね!

ゆうゆう

1回の当番が何千年もある、ずいぶん長い当番だねえ

ねこ換算

北極星はどうして動かないの?(ねこ換算)
ゆうゆう

さっきの「じくが1しゅうする2万6000年」って、ねこの長いお昼寝ひるねでいうとね

みいみい

お昼寝?

ゆうゆう

16時間のぐっすりお昼寝を、寝ておきて、また寝てをくりかえすと……なんと1424万回ぶんなんだ!

みいみい

にゃんと!! そんなにいっぱい寝られない!

ゆうゆう

北のめじるしが交代するのは、それくらいゆーっくりなできごとなんだよ

3ぎょうまとめ

  • 夜空の星がぐるぐる動いて見えるのは、地球が自転しているから

  • 北極星は、地球の回転じくをのばした「天の北極」の近くにあるから、あまり動かないように見える

  • 北極星も本当は小さく動いていて、北のめじるしの役目やくめは何万年もかけてほかの星に交代する

きょうのナゾ

みいみい

場所ばしょはあまり動かなくても、北極星のすがたにはまだなぞがあるの?

ゆうゆう

うん。明るさが鼓動こどうするように変わることも、まだ全部はわかっていないんだ

みいみい

そばに見えない星がかくれているのも、ふしぎだね!

みいみい

博士はかせたちがまだ調べている、北極星のひみつなんだね!

つぎはこれ!

おとなメモ(おうちの方・先生へ)

  • 「北極星は動かない」は、肉眼で短時間観察したときの近似表現です。実際には現在、天の北極から約40分角離れており、地球の自転にともなって天の北極の周囲を毎日小さく回っています。

  • 「天の北極」は天球上の幾何学的な点で、そこに天体があるわけではありません。地球の自転軸を北へ延長した方向として本文では説明しています。

  • 夜空の日周運動は地球の自転による見かけの運動であることを主眼に説明しました。恒星の固有運動もありますが、一晩の星空の回転の主因ではないため触れていません。

  • 「地軸は1日の間ではほぼ同じ方向」は初等的な近似です。実際には歳差・章動・極運動が重なり、精密な天文学・航法では時刻ごとの補正が必要になります。

  • 歳差を「独楽の動き」にたとえましたが、地球が倒れる前の不安定な独楽とは異なります。地軸は公転面の垂線のまわりを約2万6000年でゆっくり移動する、安定した周期運動です。

  • 歳差の主な原因は、地球が完全な球ではなく赤道方向に少しふくらんでいること、そのふくらみに月・太陽の重力が働くことです。惑星の影響や章動も加わるため、地軸の先端は一定速度の完全な円を描くわけではありません。

  • 「未来にベガが北極星になる」は、天の北極に現在の北極星と同程度に接近するという意味です。時代によっては天の北極付近に目立つ明るい星がない場合もあります。

  • 北極星は空で最も明るい恒星ではなく、見かけの明るさはおおむね2等級です。現在たまたま天の北極に近いことが、目印としての重要性を生んでいます。

  • 北極星は単独の星ではなく、少なくとも三重星系で、主星は明るさがわずかに変化する「セファイド変光星」です。質量・年齢・進化段階の精密な理解や、脈動の変化の仕組みには研究が続いています。

  • ねこ換算の約1424万回は、歳差周期を2万6000年、1回の睡眠を16時間として単純に割った概算です。実際のねこの睡眠は分割されており、個体差も大きいことにご留意ください。

  • 北極星の方向は真北の近似になりますが、方位磁針が示す磁北とは異なる場合があります。北極星が見えるのは北半球で、南半球の多くの場所からは見えません。

参考にした資料

(最終更新日: 2026-08-12)