
ねえゆう、火星に行くって、どれくらいかかるの?

おもしろいところに気がついたね。だいたい半年から9か月かかるんだよ
火星までの片道は、だいたい半年から9か月


にゃんと!! そんなに! 近い日に、びゅーんと行けば明日つくんじゃないの?

すぐついたらうれしいよね。みいならどうする?

目をつぶって、びゅーんとひとっとびだー!

宇宙船はとても速いけれど、宇宙はもっともっと広いんだ

そんなに広いの?

地球も火星も、太陽のまわりをぐるぐる回っている。だから2つのあいだの距離は、いつも変わるんだよ

にゃんで、まっすぐ飛んでいかないの?

走っているみいに、おやつをまっすぐ投げても、あたらないよね

あ! 少し前の場所をねらわなきゃ!

そういうこと。だから、いつでもすぐ出発できるわけじゃないんだ
まっすぐ追いかけず、太陽のまわりを大きくカーブする


宇宙船はね、火星をまっすぐ追いかけずに、太陽のまわりを大きくカーブして進むんだ

大きく、カーブ?

広い遊技場を走るみいに、おやつをわたすため、内側のカーブを先回りするようなものだよ

やったー! 火星でおやつパーティーだー!

おやつを火星へ先回りで置いておこうかな

火星のおやつは、みいの!

ふふ、たとえ話だよ。

うんうん、それでそれで?

この、燃料をあまり使わない道すじには「遷移軌道」っていう名前もあるんだ

せんいきどう?

かんたんに言うと、地球から火星へ移るための、決まった道すじってことだよ
出発できるチャンスは、約2年に1回


じゃあ、いつでも出発できないの?

うん。地球と火星のならび方がちょうどいい時期は、だいたい26か月……2年ちょっとに1回しか来ないんだ

メリーゴーラウンドみたい! 近づいてきた席に、飛び乗るタイミングを待つの?

まさにそれ。うまくねらえば、少ない燃料で行けるからね

待つあいだに、ねこじゃらしで遊ぼう!

いいね。そのあいだも博士たちは、道すじを何度も計算しているんだよ

あっ、待ってるあいだにころんじゃったー!

もう、みいはせっかちだなあ
火星に着いても、すぐには帰れない


火星に着いたら、すぐ帰れるの?

それがね、燃料を節約する計画だと、火星でまたよいならび方を待つ必要があるんだ

うんうん。

行って帰ってくるまで、2年以上かかる案もあるんだよ

にゃんと!! 火星で2年も遊べるの!?

火星でかくれんぼしたら、かくれる場所いっぱいだー!

2年ぶんのかくれ場所、みいなら見つけられそうだね

でもね、2年もおうちに帰れないのは、ちょっとさびしいな

……うん。ゆうはずっと、みいのそばにいるよ

うん。ゆうがいれば、みいがんばれるよ

遊ぶ前に、空気や食べ物を何年分も用意しないとねえ……ふわ

ゆう! ねないで!

ごめんごめん。遠足でも、帰りのバスの時こくを先に調べておくよね

あっ、帰りのバスって、ならび方のこと?

そう。宇宙では、その「帰りのバス」が惑星のならび方なんだ

もっと速く行ける乗り物も、いま研究されているんだよ
ねこ換算


それにしても、火星ってどれくらい遠いの?

地球と火星がいちばん近づくときでも、5,460万kmはなれているんだ

にゃんで? ぜんぜんわからないよ、その大きさ

ねこの体を、鼻からしっぽまで並べてみよう。約1,100億匹ぶんの長さになるよ

にゃんと!! ゆうとみいを、そんなにいっぱい並べるの!?

いちばん近い日でも、それくらい遠いんだ。宇宙船が実際に進む道は、もっと長いんだよ
3ぎょうまとめ
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火星までの片道は、だいたい半年から9か月かかる
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宇宙船は太陽のまわりを大きくカーブして、火星の未来の場所へ先回りする
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出発しやすい時期は約2年に1回。帰りにも、よいタイミングを待つ必要がある
きょうのナゾ

ねえ、何か月も宇宙にいる人を、火星までずっと元気に守る方法は見つかるのかな?

それって、まだだれにもわからないなぞなの?

うん。そうなんだ

宇宙から来る放射線や、体が弱くなりやすいことから、どう安全に守るか

うん。

いま、いっしょうけんめい研究が続いているんだよ

みいも、元気でいられる方法を考えてみるー!
つぎはこれ!
おとなメモ(おうちの方・先生へ)
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本文の「半年から9か月」は、現在主流の化学ロケットによる探査機の代表的な片道所要時間です。実際の飛行日数は、目的地の軌道・打ち上げ時期・宇宙船の設計によりミッションごとに異なり、固定された日数ではありません。
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「おやつを走っている相手の少し前へ投げる」「大きくカーブして先回りする」は、地球の軌道から火星の軌道へ移る省エネの経路(ホーマン遷移軌道の考え方)を単純化したたとえです。実際には、地球を離れた宇宙船も太陽の重力を受ける軌道上を進み、火星の将来の位置と速度に合うよう精密な軌道設計・途中の軌道修正が行われます。
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「出発できるチャンスは約2年に1回」は、地球と火星の会合周期(約26か月)の近似値です。この時期以外には絶対に出発できないという意味ではなく、必要な燃料や飛行時間との兼ね合いで有利な時期がくり返す、という意味です。
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人類はまだ火星への有人飛行を行っていません。本文中の「往復2年以上」は、燃料節約を重視した代表的な構想の一つであり、滞在期間・推進方式・ミッション設計によって大きく変わります。放射線や微小重力による健康影響も、断定を避け、研究中の課題として記しています。
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「ねこ換算」の5,460万kmは、地球と火星が最も近づくときの直線距離の目安です。宇宙船が実際に進む航路の距離ではありません。また、ねこの体長を50cmと概算し、鼻からしっぽまでの長さで換算しています。
参考にした資料
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NASA Science — Mars(火星の概要・歴代ミッションの打ち上げ・到着日): https://science.nasa.gov/mars/
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NASA Science — Mars Exploration Program(火星探査プログラム概要): https://science.nasa.gov/planetary-science/programs/mars-exploration/
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NASA — Mars 2020 Perseverance Mission: https://science.nasa.gov/mission/mars-2020-perseverance/
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NASA — Human Exploration of Mars: https://www.nasa.gov/humans-in-space/humans-to-mars/
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JAXA MMXプロジェクトサイト — 火星衛星探査計画MMX: https://www.mmx.jaxa.jp/
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ESA — Mars Express: https://www.esa.int/Science_Exploration/Space_Science/Mars_Express
(最終更新日: 2026-08-12)