
ねえゆう、むかし飛んでいった探査機って、いまどこにいるの?

ボイジャーだね。実はいまも、ものすごく遠くを飛びつづけているんだよ
ボイジャーは、2台の小さな宇宙の旅人


ボイジャー1号と2号は、1977年に打ち上げられた探査機なんだ

たんさき?

人もねこも乗らずに、遠くをしらべに行く小さな機械だよ

うんうん、しらべに行くんだね

木星や土星をしらべたあとも、飛びつづけているんだ

にゃんと!! もう40年以上も!? おやつを持ったまま、そんなに長い遠足!?

遠足かあ。おやつつきなら、たのしい旅だねえ

みいもおやつと一緒ならのるよ!

でもボイジャーはおやつじゃなくて、特別な電気のもとを使って動いているんだよ

でんきのもと?

太陽の光がとどかない遠くでも使える、小さな発電機を積んでいるんだ

自分でごはんをつくれるロボットなんだね!
太陽の大きな「風のふくらみ」をぬけたところ


太陽はね、光だけじゃなく、目に見えない小さなつぶの風も遠くまで送っているんだ

かぜ? 見えないのに、どこからふくの?

せんぷうきの風がとどく部屋の中から、風のとどかない廊下に出るところを思いうかべてごらん

へやとろうか…? ボイジャーはどこにいるの?

ボイジャーは、その太陽の風のふくらみのはしっこを越えて、外がわを飛んでいるんだよ

じゃあ、太陽系を完全に出たんだー!

出た!って言いたくなるくらい、すごいところまで来たんだよねえ

じゃあ星の海で、ボイジャーがおよいでるの!?

うーんと、そこは言い方に気をつけたいところなんだ

うん、どうして?

太陽の重力がとどく範囲は、もっとずっと遠くまで広がっている、と考えている博士もいるからね
いまどこ? 電波が着くまで、ほぼ1日


ボイジャー1号は2機の中でもいちばん遠くを、2号はその後ろを飛んでいるよ

どのくらい遠いの?

正確な距離は、毎日すこしずつ変わるんだ。NASAの「いまどこ?」のページで確かめられるよ

にゃんで? 電話みたいにすぐお話しできないの?

電波は光と同じ速さで走るんだけど、それでも地球からの合図がとどくまで、何十時間もかかるんだよ

にゃんと!! 「にゃんで?」ってすぐ聞き返せないの!?

うん。だから地上の人たちは、返事が来るまで気長に待つんだ

みいは待てないよー! すぐ返事がほしいもん!

遠くの友だちに手紙を出して、返事が来るまで何日も待つのと、ちょっと似ているねえ

じゃあ、のんびり待ってみるね!
地球のあいさつを運んで、もっと遠くへ


2機のボイジャーには、地球の音や音楽を記録した金色の円盤が積まれているんだ

きんいろの、えんばん?

「ゴールデンレコード」っていうんだよ。波の音や、いろんな国の言葉のあいさつが入っているんだ

にゃんと!! 宇宙のねこにも聞いてほしいなあ

ビンに手紙を入れて海へ流すみたいに、地球のあいさつを宇宙へ預けたんだね。だれかが見つけるとは限らないけれど

ひとりぼっちで、さびしくないのかな…

……うん。遠くへ行くほど、ひとり旅は長くなるねえ

ボイジャーの電気は、ずっと使えるの?

すこしずつ弱くなっていくから、いつかはしらべる道具も止まってしまう

えっ、止まっちゃうの?

でも探査機そのものは、これからも長い時間をかけて遠ざかっていくよ

そっか、たびはつづくんだね。ほっとしたよ
ねこ換算


ボイジャー1号までの距離は、いまおよそ250億キロメートル。NASAのページの目安だよ

どのくらいなの?

みいが1メートルずつジャンプして追いかけるなら、約25兆回ジャンプすることになるよ

にゃんと!! 25兆回なんて、たおれちゃうよー!

1秒に1回ジャンプしても、とどくまで約80万年もかかる計算だねえ

80万年って、ゆうと何回おひるねできるのさ!
3ぎょうまとめ
-
ボイジャー1号・2号は1977年打ち上げの探査機で、いまも飛びつづけている
-
太陽風のふくらみの外がわに出て、星と星のあいだの空間を進んでいる
-
電波は光の速さでも、地球にとどくまで何十時間もかかるほど遠い
きょうのナゾ

ねえ、太陽の風のふくらみの外って、どんなふうになってるの?

それって、まだ誰にもわからないなぞなの?

うん。博士たちも今いっしょうけんめいしらべているところなんだ

どんなところをしらべてるの?

外がわの磁場やつぶが、太陽の風とぶつかりあって、どんな境目を作るのか

ボイジャーがしらべて、すこしずつわかってきたんだ。でも2機だけでは、見られない場所もたくさんあるんだよ
つぎはこれ!
おとなメモ(おうちの方・先生へ)
-
「太陽系を出た」という表現は誤解を招きやすいため、本文ではあえて避けています。ボイジャー1号・2号が越えたのは、太陽風が支配的な影響を及ぼす領域の境界(ヘリオポーズ)であり、太陽の重力圏や、仮説的に存在すると考えられているオールトの雲を完全に抜けたわけではありません。
-
ヘリオポーズは硬い壁のような境界ではなく、太陽風と局所星間物質の影響が入れ替わる遷移域です。「風のふくらみ」「廊下に出る」はあくまで単純化したイメージで、星間空間にも太陽由来の粒子がまったくないわけではありません。
-
ボイジャー1号・2号の正確な距離、電波の片道所要時間、稼働中の観測機器は日々変化します。「ねこ換算」の250億kmという数値は執筆時点(2026年8月)のNASA公式ページの目安であり、公開時には最新の値をご確認のうえ更新してください。みいのジャンプは1回=1mとして概算しました(250億km=25兆mなのでジャンプ25兆回、毎秒1回でも約80万年かかります)。
-
「電気のもと」は、放射性同位体熱電気転換器(RTG)の出力低下を簡略化した表現です。運用チームは限られる電力の中で観測機器を段階的に停止しながら、通信と科学観測をできるだけ長く続けています。
-
ゴールデンレコードは地球外生命による受信・理解を前提にした通信装置ではなく、地球の文化と探査の記録を載せた象徴的なメッセージです。実際に発見される可能性は科学的に検証できません。
参考にした資料
-
NASA Jet Propulsion Laboratory — Voyager: https://science.nasa.gov/mission/voyager/
-
NASA Jet Propulsion Laboratory — Where Are Voyager 1 and 2 Now?: https://voyager.jpl.nasa.gov/mission/status/
-
NASA Jet Propulsion Laboratory — Interstellar Mission: https://voyager.jpl.nasa.gov/mission/interstellar-mission/
-
NASA Jet Propulsion Laboratory — The Golden Record: https://voyager.jpl.nasa.gov/golden-record/
-
NASA — What Is the Deep Space Network?: https://www.nasa.gov/directorates/somd/space-communications-navigation-program/what-is-the-deep-space-network/
(最終更新日: 2026-08-11)