
ねえゆう、反物質って、ぶつかると消えちゃうものなの?

おもしろい質問だね。実はね、半分あっていて半分ちがうんだ
反物質は「反対のしるし」をもつ、物のなかま


電子っていう小さな粒には、なかまの「陽電子」がいるんだ

ようでんし? 電子とどこがちがうの?

重さは電子とおなじ。でも、電気のしるしがプラスとマイナスで反対で、地球みたいな重力もうけるんだ

そっくりでも、電気のしるしが反対なんだね!

おんなじ形のクッキー型で作った、表と裏でしるしがちがうクッキーみたいなものだよ

みい、おやつをうらがえして反物質を作るぞー!

えー、うらがえしたおやつも反物質じゃないの!?

あはは、それはうらがえっただけのおやつだよ。向きを変えても反物質にはならないんだ
ぶつかると「消える」? 光や粒に変わるんだ


粒子と反物質の粒が出会うと、対消滅っていう反応が起きるんだ

たいしょうめつ……こわい名前! 何もなくなっちゃうの!?

名前どおりに、全部消えちゃうわけじゃないの?

ううん、何もなくならないよ。2つの粒の重さぶんが、光の粒に変わるだけなんだ

赤と黄の光るビー玉を合わせると、まぶしい光の玉に変わる、って想像してごらん

ああ、よかった! 消えるんじゃなくて、光になるんだね

じゃあゆうのおやつも、ぱっと光に変わっちゃうんだ!

光の玉になったら、おやつが食べられなくなっちゃうよ!

おやつには反対がいないから、食べたらぼくのおなかに入るよ。重さもエネルギーも、形が変わるだけなんだ

ゆう、おやつの話が長いよ!
反物質は、どこにあるの?


反物質って、どこにいるの? 見たことないよ

宇宙線っていう宇宙からの粒や、加速器っていう研究の道具で、少しだけ作られているんだ

少しだけ作れても、一しゅんだけしかいられないの?

しゅわしゅわ飲み物のあわが、ぱっとできてすぐ消えるみたいに、反物質の粒も一しゅんだけ現れることがあるよ

えー! 反物質の町をさがしに行きたいのに、近くにはないんだね

見つかれば大発見だけど、今のところ近くには見つかっていないんだ

えっ、近くにないのに、びょういんでも役に立つんだね!

びょういんの検査でも、陽電子が使われているんだよ。体の中を調べる、ちゃんと役に立つ使い方なんだ
にゃんで宇宙には物質が多いの?


宇宙が生まれたばかりのころ、物質と反物質は、ほぼおなじ数だけ生まれたと考えられているんだ

ほぼ同じ数なのに、ぜんぶ光になって消えちゃうはずじゃない?

みい、こわいよ

そこがふしぎなところでね。物質のほうが、ほんの少しだけ多く残ったんだ

えっ、物質のほうがほんの少しだけ多く残ったんだね

大量のおやつを2組に分けたら、最後に1つぶだけ余る感じだね

その最後の1つぶが、今のぼくらのいる世界なんだよ

その1つぶが、今のぼくらの世界になったんだね!

……うん。

どうしてその粒だけ残ったの?

その1つぶがどうして残ったのか、博士たちがずっと調べているところなんだ
ねこ換算


もし1ミリグラムの物質と、おなじだけの反物質が出会って光に変わったら、そのエネルギーはすごいんだよ

ほんの少しなのに、そんなにすごいの?

4kgのねこを、約46億mも持ち上げられるくらいなんだ

にゃんと!! たった1ミリグラムなのに!?

ものすごく小さいのに、ものすごい力になるんだよ

そんな力でも、反物質をためておくのは大変なの?

ただ、その反物質を集めておくのは、今の技術ではとても難しいんだ
3ぎょうまとめ
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反物質は電子や陽子のなかまで、電気のしるしなどが反対の粒
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ぶつかると「消える」のではなく、光や別の粒に変わる(対消滅)
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初期の宇宙で物質が反物質よりほんの少し多く残った理由は、まだナゾ
きょうのナゾ

ねえ、その「最後の1つぶ」が残ったわけって、まだわかってないの?

うん。どうして物質がほんの少し多く残ったのか、博士たちが調べ続けているんだ

答えが見つかる日を、みいも楽しみにしてる!
つぎはこれ!
おとなメモ(おうちの方・先生へ)
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反粒子は電荷だけでなく、磁気モーメントやレプトン数・バリオン数など対応する量子数が反対です。重力への応答(反水素の落下実験など)も検証が進められています。
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「対消滅で光になる」は電子・陽電子が静止した場合の代表例(2本のガンマ線)に基づく単純化です。陽子・反陽子の対消滅では複数の中間子が生じるなど、条件により生成物は異なります。
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「ほぼ同数から物質が少し残った」は宇宙のバリオン非対称性を説明するための概略で、その生成機構(バリオン数生成)自体はまだ解明されていません。
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ねこ換算はE=mc²にもとづき、物質・反物質あわせて2mgをすべてエネルギーへ換算した概算値です。現実には反物質の生成・保存には大きな損失と技術的制約があり、実際にためて利用できる量ではありません。
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恐怖をあおらないよう、地球や身のまわりに大量の反物質が出現するような表現は避けています。
参考にした資料
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CERN — Antimatter: https://home.cern/science/physics/antimatter
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CERN — The ALPHA experiment: https://home.cern/science/experiments/alpha
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NASA Science — Glossary: Antimatter: https://science.nasa.gov/universe/glossary/
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Particle Data Group — Review of Particle Physics: https://pdg.lbl.gov/
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NHS — PET scan: https://www.nhs.uk/tests-and-treatments/pet-scan/
(最終更新日: 2026-08-11)