
ねえゆう、ほうき星ってどこから飛んでくるの?

いい質問だね、みい。ふだんは太陽からとおく離れた、まっくらな場所にいるんだよ
彗星は、太陽系ができたころの「こおった残りもの」


彗星の正体はね、氷とちりと岩が混ざった、真っ黒な天体なんだ

えっ、まっ黒なの! ほうきみたいに光ってないの?

うん、遠くにいるときは光る尾はないんだよ

ふむふむ……

およそ46億年前、太陽系ができたときの材料が、そのまま残ってるんだ

冷凍庫のおくに、ずーっと前のおやつが凍ったまま残ってるようなものだね

じゃあ46億年ものの、カチカチおやつが浮いてるの!?

そうそう、みいの想像どおりカチカチだよ

にゃんと!! 大むかしのおやつがそのまま!

……ちょっと味見してみたいなあ

ゆう、だめだよ! おなかこわしちゃうよ!
ふるさとは、海王星の向こうと太陽系のずっと外側


ほうき星の「おうち」って、どこにあるの?

海王星より外に、氷の天体がたくさんある帯があるんだ。これが1つ目のふるさとだよ

1つ目、だよね!

うん、ここから来る彗星は、太陽をまわる周期が短めなんだ

あっ、じゃあすぐ帰ってくるほうだ!

そう。もっともっと外側、太陽系をまるごと包むように広がってると考えられている領域があるんだ

ええっ、太陽系をまるごと包むって、そんなに広いの?

うん、そこから来る彗星は、太陽に近づくまでにものすごく長い時間がかかるよ

太陽系って、ゆうが思ってたよりずっと大きいんだね
重力にゆさぶられて、太陽への旅が始まる


にゃんで、ふだんは遠くにいる氷が、太陽のほうへ来るの?

木星や海王星みたいな大きな惑星の重力に、少しずつ引っぱられるんだ

引っぱられるって、見えない手で引くの?

そう。ときには、近くを通った恒星や、銀河ぜんたいの重力もかかわると考えられているよ

じゃあ、みいが遊具をポンって押したら、ほうき星も動いちゃうんだ!

ほう、みいが押すんだね

みいの力じゃとどかないけど、考え方はにてるよ。軽く押されるだけで、進む向きが少しずつ変わるんだ

そっか……。ほうき星、ずっとくらいところでひとりだったの? さびしいね

……うん

でも、今は太陽に会いに行く途中なんだね

彗星が「太陽に行こう」って決めて飛んでくるわけじゃなくて、長い時間をかけて軌道がゆっくり変わっていくんだよ
太陽へ近づくと、「ほうきの尾」が生まれる


太陽に近づくと、彗星の氷が熱でとけずに、そのまま気体に変わるんだ

とけないで、気体になるの?

そう、こおったジュースが直接あわあわの気体になるようなものだよ

あっ、氷がとばされて、あわになるんだ!

まわりにちりも飛びだして、頭の部分にもやができて、それが太陽と反対の向きへ流れて、長い尾になるんだよ

じゃあ、しっぽをつかんで、ほうきみたいにはけるんだ!

さわれるかな……えいっ!

さわれないよ! ガスとちりでできてるからね

あれっ、すかすかする!

尾は2しゅるいあって、白っぽいちりの尾と、細い青いイオンの尾があるんだ。どちらも太陽と反対の向きにのびるよ

そっか、見るだけでいいんだ
ねこ換算


太陽から地球までのきょり、1天文単位は、体長40センチのねこおよそ3740億匹ぶんなんだ

にゃんと!! ねこがそんなに!

3740億って、どのくらい?

1つ目のふるさとまでは、そのおよそ30倍

30倍なら、まだ数えられそう!

2つ目のふるさとがあると考えられている場所は、なんとおよそ5000倍もの遠さだよ

ええー、5000倍!? 数えられないよ!

そうだね、けたがぜんぜんちがうんだ

遠すぎて、くらくらしちゃう……
3ぎょうまとめ
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彗星は、太陽系ができたころの氷とちりと岩でできた、暗い天体
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短めの周期の彗星は海王星の外の帯から、長い周期の彗星はもっと外側の領域から来ると考えられている
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太陽に近づくと氷が気体に変わり、太陽と反対がわに尾がのびる
きょうのナゾ

ねえ、いちばん外側のふるさとって、どんな場所なの?

もしかして、まだ誰も見たことないの?

うん、直接見た人はまだいないんだ。彗星の動き方から「たぶんこうなってる」と考えられているだけなんだよ

じゃあ、みいが見つけたら、世界初だね!

そうだね。博士たちも今いっしょうけんめい調べているところだよ。答えが見つかったら、みいにいちばんに教えるね
つぎはこれ!
おとなメモ(おうちの方・先生へ)
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「短周期彗星はカイパーベルトから、長周期彗星はオールトの雲から」という説明は大づかみなものです。実際には木星族彗星の主要な供給源は散乱円盤と考えられており、ハレー型彗星のように単純に二分しにくい集団もあります。本文はこの区別を簡略化しています。
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現在の貯蔵場所と形成場所は必ずしも同じではありません。初期太陽系で形成された氷天体が、巨大惑星の重力や軌道移動によって遠方へ散乱されたとするモデルが有力です。
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オールトの雲は直接観測されたことがなく、理論モデルと長周期彗星の軌道分布から存在が推定されている領域です。内縁・外縁の距離は資料やモデルによって幅があります。
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「氷が気体になる」は昇華をやさしく言い換えた表現です。また彗星核は単純な「汚れた雪玉」ではなく、暗く多孔質で組成や構造には多様性があります。
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ちりの尾は主に太陽光の放射圧、イオンの尾は太陽風と磁場の影響を受けてできます。尾は彗星の進行方向の後ろ(航跡)ではなく、おおむね太陽と反対方向へのびるため、太陽から遠ざかる彗星では進行方向側に尾が見えることもあります。
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ねこ換算の根拠: 1天文単位 149,597,870.7km を体長0.4mのねこで割ると約3.74×10^11匹(約3740億匹)。カイパーベルトの内縁は約30天文単位、オールトの雲の推定内縁は約5000天文単位として、それぞれ約30倍・約5000倍としました。
参考にした資料
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NASA Comet Facts: https://science.nasa.gov/solar-system/comets/facts/
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NASA Kuiper Belt Facts: https://science.nasa.gov/solar-system/kuiper-belt/facts/
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NASA Oort Cloud Facts: https://science.nasa.gov/solar-system/oort-cloud/facts/
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ESA Rosetta Mission: https://www.esa.int/Science_Exploration/Space_Science/Rosetta
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JAXA 宇宙教育センター「SoraTobi. 2013 Winter」: https://edu.jaxa.jp/contents/soratobi/assets/ST022.pdf
(最終更新日: 2026-08-11)