
ねえゆう、火星に生きものって、いるの?

実は、今のところ、火星の生きものは「まだ分からない」なんだ
答えはまだ「見つかっていない」


にゃんと!! あの岩、火星ねこに見える! 見つけた!

火星に生きものがいたー!

ほんとうにそう見えるねえ。みいは、どう思ったの?

あれ? まだ見つけたことにならないの?

ちょっと待って、みい。形が似てるだけかもしれないから、あわてず調べようねえ

にゃんで? 見えたのに?

みいのおもちゃ、ソファの下に見えなくても「家じゅうにない」とは言えないよね

見つけた場所と手がかりを、何度もよく調べないといけないんだ

たしかに……前も、そう思ったら、ただのほこりだった

火星でも、生きものやその化石は、まだ確かには見つかっていないんだ
昔の火星には、水のある場所があった


でもね、火星には昔、川や湖があった跡が見つかっているんだ

にゃんと!! 火星に、お水があったの?

そうなんだ。今よりずっと温かくて、水がある環境があったと考えられているよ

スープを作るには、水と材料と、ちょうどいい温かさがいるよね

材料が台所にそろっていても、できあがったスープを見なければ「スープがある」とは言えないの?

そうそう。できあがったスープを見なければ、「スープがある」とは言えないでしょ

じゃあ、火星のお水があったのは分かっても、スープ……生きものがあったかは、まだなんだ

そのとおり。火星にお水があったなら、スープも……ふわ……食べたくなってきたな

ゆう! 火星のスープじゃなくて、生きものの話だよ!

そ、そうだった。ごめんごめん
探査車は、岩の中の小さなしるしをさがす


火星では今、探査車というロボットが、岩や土をくわしく調べているよ

ロボットが火星で調査してるの! かっこいい!

カメラや道具で、昔の環境や有機物……生きものに関係するかもしれない物質をさがしているんだ

将来もっとくわしく調べるための岩石の試料も、集めているよ

有機物が見つかったら、もう生きものがいた証拠なの?

ぼくもはじめはそうおもったんだ

あっ、手がかりを合わせないと、まだ分からないんだね!

クッキーのくずがあっても、だれが食べたかは分からないでしょ? ほかの手がかりも合わせて考えるんだよ

探査車のまねで、虫眼鏡を持って床の「おやつのくず」を調べたら、ゆうのしるしまで出たの?

あ……それ、たぶんぼくのしるしだねえ
もし見つかったら、どうやって確かめるの?


じゃあ、ほんとに生きものが見つかったって、どうやって分かるの?

まず、別の方法でももう一度調べる。それから、地球のよごれが混ざっていないかも確かめるんだ

さいごに、世界中の研究者が、その手がかりをみんなで検討するんだよ

分かった! 犯にゃんは、ゆうだ!

急に名探偵になったね……

えっ? みい、まちがってたらどうしよう……

ねこが棚のおやつを食べた事件でも、肉球あとだけじゃなく、

袋の場所や首輪の鈴も確かめるんだね?

証拠がそろうまでは、ぼくも、火星の岩も、決めつけないんだ

よかった、答えを急がないのが、かがくなんだね
ねこ換算


火星の直径は、約6,779km

ぼくの体の長さ、約70センチのねこを、頭からしっぽまで一直線につなげると……

一直線につなげるんだね?

火星の端から端まで、約970万匹ぶんになるよ

にゃんと!! 970万匹! みいが数えたら、途中で遊びたくなっちゃう!

ふふ、それはぼくも同じかもね
3ぎょうまとめ
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火星で生きものやその化石は、まだ確かには見つかっていない
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昔の火星には水があった手がかりがあるが、それだけでは生きものがいた証拠にならない
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探査車が岩の手がかりを集めていて、見つかったら世界中の研究者が慎重に確かめる
きょうのナゾ

ねえ、火星でいちばん最初に見つかる生きもののしるしって、どんなものなの?

博士たちにも、まだ答えは分からないんだ。これからが楽しみだねえ

みいも、どんな手がかりか知りたい!

岩の中の模様か、特別な分子か、地下の環境か……「見つけた」と言える証拠は、まだ見つかっていないんだ

どの手がかりをどう組み合わせれば「見つけた」と言えるのか、今も博士たちがさがしているところなんだよ
つぎはこれ!
おとなメモ(おうちの方・先生へ)
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現時点で地球外生命は確認されていません。NASAの火星探査が示しているのは、主に過去の火星に液体の水や、生命が利用しうる化学的環境があった証拠であり、生命そのものの発見ではありません。
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本文中の「有機物」は炭素を含む化合物を広く指す表現で、生命だけが作るものではありません。生命の証拠とするには、複数の独立した手がかりと、非生物的な生成過程の検討が必要です。
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「昔の火星は水があった」は、川・湖・鉱物などの観測にもとづく単純化です。いつ、どこに、どれほど長く生命に適した環境が続いたかは、場所と時代によって異なります。
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パーサヴィアランスは岩石試料を収集していますが、地球へ持ち帰る具体的な方法・時期は本文では確定済みとして扱わず、「将来、よりくわしく調べるための試料」とだけ表現しています。
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ねこ換算は、火星の平均直径(約6,779km)と、ねこの体長を約70cmと仮定した概算です。火星は完全な球ではなく、猫の体長にも個体差があります。
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2025年9月、NASAはパーサヴィアランスが採取した岩石「Cheyava Falls」から、これまでで最も有力とされる「潜在的な生命の痕跡(potential biosignature)」が見つかったと発表し、査読論文としてNature誌に掲載されました。ただしこれは確定的な生命発見ではなく、非生物的な過程で同様の痕跡ができる可能性も完全には否定されていません。本文の「まだ確かには見つかっていない」という結論は、この発表後も科学的に正確です。
参考にした資料
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NASA — Astrobiology Program Overview: https://science.nasa.gov/astrobiology/program-overview/
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NASA — Was There Life on Mars?: https://science.nasa.gov/blog/was-there-life-on-mars/
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NASA — Mars 2020 Perseverance Rover: https://science.nasa.gov/mission/mars-2020-perseverance/
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JAXA 宇宙科学研究所 — 火星衛星探査計画MMX: https://www.isas.jaxa.jp/missions/spacecraft/developing/mmx.html
(最終更新日: 2026-09-03)